ラ・フランスに含まれる栄養素とその効果について、詳しく解説します。おすすめの食べ方や食べごろの見分け方、保存方法もあわせてご紹介します。
ラ・フランスにはどんな栄養がある?期待できる効果も解説
ラ・フランスは、健康維持に役立つフルーツとして注目されていますが、具体的にはどんな栄養があるのでしょうか。
今回は、ラ・フランスに含まれる栄養素とその効果について、詳しく解説します。
また、おすすめの食べ方や食べごろの見分け方、保存方法もあわせてご紹介します。
ラ・フランスに含まれる栄養素
ラ・フランスには、ビタミンやミネラルなど、さまざまな栄養素が含まれています。
ここでは、ラ・フランスに含まれる8つの栄養素と、その効果について解説します。
食物繊維
ラ・フランスは、日本の梨に比べて食物繊維が多く含まれています。
食物繊維は、大きく分けて不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類がありますが、ラ・フランスにはこの2つがバランス良く含まれています。
不溶性食物繊維は整腸作用が強く、美肌効果や大腸がんの予防効果が期待できます。
一方で、水溶性食物繊維は硬くなった便の保水力を高め、便秘の改善を手助けします。
昆布や里芋などにも含まれている水溶性食物繊維には粘りがあり、糖質の吸収を緩やかにしてくれます。
水溶性食物繊維の一種であるペクチンは、腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えます。
腸内環境が改善することで、便秘の解消に役立つのです。
他にも、ペクチンにはコレステロールの吸収を抑制する効果があり、血中コレステロール値の改善も期待できます。
ビタミンC
ラ・フランスには、抗酸化作用のあるビタミンCが含まれており、細胞の酸化を防いでくれます。
関節をスムーズに動かすためにも欠かせない、コラーゲンの生成にも関わる栄養素で、美肌効果や免疫力の向上が期待できます。
ビタミンCには、鉄の吸収を促す効果もあるので、吸収率の低い非ヘム鉄を多く含む豆類や、ほうれん草と一緒に食べるのがおすすめです。
カリウム
ラ・フランスには、高血圧の予防やむくみの解消に効果的なカリウムも多く含まれています。
カリウムは、体の水分量を調整しているミネラルの一つです。
ミネラルバランスが崩れると、筋肉の痙攣や不整脈などが起こりやすくなります。
ソルビトール
ラ・フランスに含まれるソルビトールは、糖質の中の糖アルコールに分類されます。
糖質は、体を動かすエネルギー源になるほか、脳が働くためにも欠かせない栄養素です。
しかし、ラ・フランス1個(300g)あたり37.5gもの糖質が含まれています。
1回の食事で摂取する糖質の目安は20g~40g以内といわれており、必要以上に摂取すると体脂肪に変わりやすいので注意しましょう。
とはいえ、ソルビトールは一般的な砂糖よりも血糖値の上昇が緩やかで、摂取しても太りにくいといわれています。
他にも、ソルビトールには高い保湿性があるため喉の炎症に効果があるとされており、咳止め薬や喉スプレーなどの薬品にも使われることがあります。
アスパラギン酸
ラ・フランスには、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸が含まれています。
アスパラギン酸は、疲れを感じる原因の一つである乳酸を代謝してくれるので、疲労回復の効果があります。
アスパラギン酸が充分に摂取できていると、疲れを感じにくくなるともいわれており、栄養ドリンクなどにも含まれています。
ただし、アミノ酸は加熱すると変性してしまうので、アスパラギン酸の効果を期待したい場合には、加熱せずに生で食べるのがおすすめです。
プロテアーゼ
ラ・フランスに含まれるプロアテーゼはタンパク質分解酵素で、消化を助ける働きがあります。
このため、肉料理の後のデザートにラ・フランスはぴったりです。
肉料理の下ごしらえとして、すりおろしたラ・フランスにお肉をしばらく漬けておくと、酵素の働きでお肉が柔らかくなります。
銅
ラ・フランスには、ミネラルの一つである銅も含まれており、鉄などを成分とするヘモグロビンの合成を助けます。
このため、銅が不足するとヘモグロビンがうまくつくられず、貧血の原因となります。
また銅は、免疫細胞のエネルギー代謝に関わる構成成分なので、免疫力の向上も期待できます。
ラ・フランスは食べ過ぎに注意
ここまで解説したように、ラ・フランスにはさまざまな栄養素が含まれていますが、糖分が高いため食べ過ぎには注意が必要です。
また、ラ・フランスに含まれる水溶性食物繊維は、摂取し過ぎると下痢を引き起こすことがあります。
食べる際の適量は人によってそれぞれ異なりますが、ラ・フランスは丸ごと1個で160kcalなので、夕食後のデザートであれば1/4個、間食であれば1/2個、多くとも1日1個までにしておくと良いでしょう。
ラ・フランスのおすすめの食べ方
ラ・フランスには、さまざまな食べ方がありますが、加熱するとアスパラギン酸が変性してしまうので、やはり生で食べるのがおすすめです。
ただし、完熟したラ・フランスは果汁が滴るほどの水々しさで、りんごのように手で握って皮を剥こうとすると手が汚れやすくなります。
このため、切り分ける場合には、くし切りで8等分にした後、最後に皮を剥くと手が汚れにくいです。
実が大きめのものであれば、半分に切ってスプーンで芯をくり抜き、メロンを食べるときのようにスプーンで果肉をすくって食べると手が汚れません。
この方法であれば切り分ける手間もなく簡単ですが、芯をくり抜いたり皮のそばの実をすくったりするときに、皮を破いてしまわないように注意しましょう。
沢山あって食べきれないときは、ピューレにしてビーフシチューなどに入れると、まろやかな味わいになります。
その他、ジャムにする方法もありますし、切ってみたらまだ実が硬かった、という場合にはサラダに入れると美味しくいただけます。
ラ・フランスの食べごろを見分ける方法
ラ・フランスは、軸が茶色く乾燥し、軸の周りにシワができて押すと柔らかい状態が食べごろです。
このような完熟の状態になると長くは日持ちしないため、通常は完熟になる前に収穫して出荷されます。
このため、購入した段階では完熟になっていない場合も多々あります。
温度が高いほど早く完熟の状態になるため、購入してから日持ちさせたい場合には、冷蔵庫で保存すると完熟を遅らせることが可能です。
早く完熟の状態にしたい場合は、紙袋などに入れて15度〜20度前後の部屋に置いておきます。
30度を超えてしまうと追熟障害が起こるので注意しましょう。
ラ・フランスを上手に保存する方法
完熟したラ・フランスは、冷蔵庫で1週間ほど保存できます。
ビニール袋や新聞紙に包み、野菜室で保存しましょう。
ただし、他の果物から出るエチレンガスによって劣化が進むことがあるので、他の果物と一緒に保存するのは避けた方が無難です。
完熟したラ・フランスを冷凍する場合は、半分に切ってラップに包んで冷凍します。
解凍する際は、電子レンジを使わずに自然解凍するようにしましょう。
まとめ
ラ・フランスに含まれる栄養素には、腸内環境を整えてくれる食物繊維、美肌効果が期待できるビタミンC、むくみに効果的なカリウムがあります。
他にも、喉の炎症に効果的なソルビトール、疲労回復効果のあるアスパラギン酸、消化を助けてくれるプロアテーゼ、貧血予防に効果的な銅も含まれています。
このように、さまざまな栄養素が含まれていて、健康維持に役立つフルーツといわれるラ・フランスですが、糖分が高いため食べ過ぎには注意しましょう。
食べ方としては、アスパラギン酸の効果を維持するためにも、生で食べるのがおすすめです。
とはいえ、ジャムや料理に使うなど、さまざまな食べ方ができるラ・フランスは、贈答品にもおすすめのフルーツです。