タンカンという果物をご存じでしょうか?
名前は聞いたことはあるものの、栄養素やみかんとの違いまでは分からないという方が多いかと思います。
タンカンはみかんよりも果肉がジューシーで、一度食べるとハマるひとも多い果物です。
この記事ではタンカンに含まれる栄養素とその効果、みかんとの違いを一覧にしてわかりやすく解説します。
タンカンとは?みかんとの違い一覧
タンカンとは、中国広東省が原産のポンカンとスイートオレンジを交配した柑橘系の果物です。日本に伝わった時に、行商人が短い桶で売り歩いたことから「短桶」という漢字が使われこの名前になったといわれています。
タンカンの特徴は、なんといってもジューシーな甘さ。
糖度は高いもので15度近くにもなり、柑橘類の中でもトップクラスの甘さを誇ります。
ここでは一般的に「みかん」として知られている温州みかんを例にあげ、タンカンとみかんの違いを一覧表にして比較しました。
タンカン | 温州みかん | |
由来 | ポンカンとスイートオレンジの自然交配種 | 不明 |
原産地 | 中国広東省 | インド・中国 |
日本のおもな産地 | 鹿児島県・沖縄県 | 和歌山県・愛媛県 |
旬 | 2月〜3 月 | 9月〜2月 |
糖度 | 11〜14度 | 10〜13度 |
皮の特徴 | みかんよりかためだが薄い。 手でもむける。 | 柔らかくて薄い。 手で簡単にむける |
味と食感 | 少し種がある果汁が多めで甘みと酸味のバランスがよい | 種はないさっぱりとした甘み収穫時期により甘みと酸味のバランスが異なる |
タンカンに含まれるおもな栄養素:みかんとの違い
タンカンはビタミンCが豊富です。みかんと比べると1.3〜1.5倍ほどのビタミンCが含まれているのが分かります。
厚生労働省が定める1日あたりの成人(15歳以上)のビタミンC推奨量が100mgです。
これに対し、タンカン100gに含まれるビタミンCが42mg。
1個の大きさは約150〜200gなので、ビタミンC含有量はおよそ63mg〜84mgです。つまり、タンカンを1個食べれば1日に必要なビタミンCの約3分の2以上とれることになります。
その他、タンカンにはクエン酸やヘスペリジンも豊富に含まれます。効果については後述します。
以下はタンカンとみかんの100gあたりの栄養素を比較したものです。
可食部100gあたり
栄養素 | タンカン※ | 温州みかん |
エネルギー(カロリー) | 50kcal | 49kcal |
タンパク質 | 0.8g | 0.7g |
脂質 | 0.2g | 0.1g |
炭水化物 | 10.3g | 12.0g |
食物繊維 | 0.6g | 1.0g |
βカロテン | 540μg | 1,000μg |
葉酸 | 24μg | 22μg |
パントテン酸 | 0.27mg | 0.23g |
ビタミンC | 42mg | 32mg |
※タンカンはタンゴールという品種の一種なので、データはタンゴール(きよみ、しらぬひ)のものを代用しています。
参照元:文部科学省「食品成分データベース」
タンカンの栄養素がもたらす美容・健康効果
タンカンに含まれるおもな栄養成分を以下4つに分けて、それぞれの美容や健康効果について解説します。
- ビタミンC
- βカロテン
- ヘスペリジン(ビタミンP)
- クエン酸
ビタミンC
ビタミンCには、美肌・美白効果やがんなどの生活習慣病を防ぐ効果があります。
ビタミンCはコラーゲンを作るのに必須の栄養素。
細胞どうしをつなぐことで強い歯茎や血管、骨、筋肉をつくります。
また強い抗酸化作用を持ち、過酸化脂質が増えるのを防ぐはたらきによるアンチエイジング効果も期待できます。がんや動脈硬化を防ぎ、風邪の予防にも効果的です。
ほかにも日焼けによるメラニン色素の生成を抑えるはたらきがあります。
βカロテン
βカロテンもビタミンCと同じく抗酸化力があり、アンチエイジングに効果があります。
体内でビタミンAにかわり、活性酵素を抑えたり取り除いたりすることで老化を防ぎます。
また目の網膜にあるロドプシン(光を感じる物質)を作り、視覚機能を正常に保つのに重要な物質でもあります。
ヘスペリジン(ビタミンP)
ヘスペリジンには、ビタミンCの働きを助け毛細血管を強くするほか、中性脂肪を分解する効果もあります。加えて、整腸作用もあります。
タンカンの白いすじや薄皮に多く含まれるビタミンPの一種です。
とくに便秘でお悩みのかたは、薄皮をむかずにそのまま食べるのがおすすめです。
クエン酸
クエン酸には、疲労回復効果があります。
体内のエネルギーを生み出すのに欠かせない物質です。
酸っぱさのもとになる成分です。
タンカンは糖質が高めなのでダイエット中の食べ過ぎに注意
タンカンは薄皮ごと食べるとヘスペリジンの効果で中性脂肪が分解され整腸作用もあるので、ダイエットに効果的です。ただし、個数は1個にしておきましょう。
タンカンのカロリーはそこまで高くはないものの、糖質が高めだからです。
タンカン1個の重さは150gほどなので、1個分のカロリーは約75kcal※です。
果物としては平均的な値なので、カロリーはそこまで高いわけではありません。
一方、タンカン1個の糖質は約17gです。
北里大学研究所の山田悟先生によると、糖質制限をしたいなら糖質は1日130g以下にするとよいとされています。
しかし40代を過ぎるとダイエット目的の糖質制限はより厳しくないと効果が得られず、確実に痩せたいなら1日60gに抑えるのがよいともいわれています。
通常の食事からも糖質をとることを考えると、ダイエット中のタンカンは1日1個程度におさえておくのがよいでしょう。
※糖質を求める計算式
100gあたりの糖質(g)={カロリー(kcal)-(たんぱく質量g×4kcal)-(脂質量g×9kcal)}÷4kcal
タンカン(50-3.2-1.8)÷4=11.25g
タンカン1個あたり11.25g✕1.5=16.8g
参照元:農林水産省「実践食育ナビ」
参照元:東京高輪病院 健康管理センター「糖質制限食について」
参照元:牧田善二著『医者が教える食事術最強の教科書』ダイヤモンド社(2017/9/21)
タンカンは抗酸化作用でアンチエイジングにも最適な果物
タンカンには抗酸化作用の強いビタミンCとβカロチンの両方を含む、アンチエイジングには最適な果物です。
がんや動脈硬化といった生活習慣病の予防から、風邪の予防まで効果が期待できます。
ビタミンCは人間の体内では作られないので、毎日食べ物からの摂取が必要です。
タンカン1つで、1日に必要な量のビタミンCの3分の2以上をとれます。
美容と健康によい成分が凝縮されているので、毎日の生活習慣にタンカンを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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