タンカンの食べ方や剥き方について、詳しく解説しています。保存方法や食べごろの見分け方もあわせて解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
鹿児島県や沖縄県などで親しまれているタンカンについて、剥き方を含めた食べ方をご紹介します。
タンカンは、みかんやオレンジとは違って、あまり馴染みがない果物かもしれません。
みかんやオレンジと見た目は似ていますが、少し違った特徴があります。
この記事を読んで、ぜひタンカンについての知識を深めてみてください。
タンカンとは
タンカンは、ポンカンとネーブルオレンジの自然な交配によって誕生したといわれています。
台湾から鹿児島県へ伝わり、その後、全国へと広がっていきました。
台湾では桶に入れて売られていたこともあり、漢字で書くときは「桶柑」と書きます。
たっぷりの果汁で香りも良く、酸味はあまりなくて甘いのが特徴です。
糖度は11度~14度くらいで、柑橘類の中でもトップクラスの甘さだといわれています。
ただ甘いだけでなく、ほどよく酸味が効いていて、この美味しさの虜になる方も少なくありません。
見た目や大きさはみかんに似ていますが、皮は少し硬めです。
12月中旬から販売され始め、産地以外のスーパーなどにも出回ります。
2月~3月に旬のピークを迎え、旬が終わるのは4月です。
価格の相場は、大体5kgあたり5,000円~で、5kgは数にすると30個~70個ほどになります。
これは、みかんのおよそ倍の価格です。
通販サイトでも購入できるので、年末ごろからチェックしてみると良いでしょう。
タンカンの食べ方〔剥き方〕
タンカンは、みかんのように手で剥いて食べられますが、皮が少し硬いので手で剥くのが難しい場合には包丁で剥く方法もあります。
今回は、手で剥く方法と包丁で切る方法の2つをご紹介します。
手で剥く方法
タンカンの皮は少し硬いですが、手で剥けます。
みかんの皮を剥くのと同じように、外側の皮を手で剥いていきます。
最初に包丁で切れ目を入れてから剥くと、より簡単です。
果肉を包んでいる「じょうのう膜」と呼ばれる薄皮は、薄いので剥かずに食べられます。
ただし、種が入っていることがあるので注意してください。
薄皮を剥く場合は、房の上部を包丁で切り落としてから剥きます。
タンカンは果汁をたっぷり含んでいるので、薄皮を剥くときに力を入れすぎて潰してしまわないように注意しましょう。
包丁で切る方法
タンカンの皮は少し硬いので、包丁を使ってスマイルカットにするのもおすすめです。
スマイルカットは、オレンジを切るときなどに良く使われる方法です。
まず、ヘタを横に向けて置き、上から下に向かって半分に切ります。
さらに、それを4等分し、全部で8つに切り分けたら完成です。
果肉と皮の間に切り込みを入れておくと、さらに食べやすくなります。
タンカンの食べ方〔加工方法〕
タンカンは、そのまま食べても十分美味しいですが、マーマーレードなどに加工しても美味しくいただけます。
そのまま食べるのに飽きてきたときや、たくさん量があるときなどに、ぜひ試してみてください。
ジュース
甘い果汁がたっぷりのタンカンは、ジュースにしても美味しくいただけます。
ヘタを横に向けた状態で半分に切り、手で絞るのがおすすめです。
ミキサーを使ってジュースにする方法もありますが、ぜひ手絞りを味わってみてください。
手で絞ることで、機械では出せない果物本来の味や風味が出た、やさしい味わいになります。
また、ジュースにすることで、小さなお子さまでも食べやすくなります。
砂糖を入れなくても十分甘く、果汁100%なので健康面に気をつかっている方にも安心です。
マーマレード
タンカンは、香りが良く甘味が強いので、たくさんある場合にはマーマレードにするのもおすすめです。
皮のほろ苦い風味が甘味とほどよくマッチし、通常は捨ててしまう皮も有効に使えます。
つくるのに少し手間はかかりますが、つくってしまえばパンに塗るだけでなく、ドレッシングにも活用できます。
材料もタンカンとグラニュー糖だけなので、普段料理をしない方でも手軽に挑戦できます。
オレンジのマーマレードと同じレシピでつくれるので、レシピ本やレシピサイトなどから、お好みのレシピを探してみてください。
ドレッシング
タンカンでつくったマーマレードに、オリーブオイル、酢、塩コショウを加えてつくります。
分量は、マーマレードとオリーブオイルが同量、酢はマーマレードの半分、塩コショウは少々です。
オリーブオイル以外の材料を混ぜ合わせ、そこにオリーブオイルを少しずつ加えながら混ぜれば完成です。
サラダの具材を変えれば、色々な味わいが楽しめるので、たくさんあっても飽きずに食べられます。
使い勝手が良く、自分で好きな具材を選んで食べられるドレッシングは、おすそ分けにも最適です。
タンカンの保存方法
タンカンは、直射日光に当たらない、風通しの良い冷暗所での保存が適しています。
タンカンの旬は冬~春にかけてなので、常温に置いておけば大丈夫です。
ただし、冬場の寒い時期は暖房で部屋が暖かくなってしまうので、暖房のついていない所で保存するようにしましょう。
冷蔵庫に入れて保存する場合は、乾燥しないようにポリ袋に入れたりラップに包んだりしてから、野菜室に入れておきます。
タンカンなどの柑橘類は、高温多湿に弱く傷みやすい果物です。
段ボール箱に入れたまま保存すると、湿気がたまって傷みやすくなります。
特に通販サイトなどで購入した場合には、届いたら必ずカゴやザルなどの風通しの良い入れ物に移しかえるようにしましょう。
このような適切な方法で保存した場合でも、大体1週間くらいを目途に、なるべく早く食べきることをおすすめします。
食べきれない場合には、ジャムに加工しておくと長持ちします。
タンカンの食べごろの見分け方
タンカンを選ぶときは、手に持ったときにずっしりと重いものを選びます。
皮は、濃いオレンジ色でみずみずしく、柔らかいものがおすすめです。
果汁がたっぷり含まれていると、しっかりと重みがあり、皮もみずみずしく柔らかくなります。
なお、皮にすり傷がついている場合がありますが、味にはあまり影響がありません。
タンカンの皮は傷がつきやすく、表面も凸凹していますが、この皮によって中のみずみずしい果肉が守られているのです。
タンカンはみかんに比べても高価な果物なので、ぜひ食べごろで美味しいものを見極めてみてください。
まとめ
タンカンは、ポンカンとネーブルオレンジの交配から誕生したとされ、たっぷりの果汁と香りの良さ、強い甘みが特徴です。
2月~3月が旬のピークで、価格はみかんの倍ほどになる高価な果物です。
みかんと比べると皮が少し硬いですが、手で剥けます。
剥きにくい場合には、包丁で切れ目を入れたり、オレンジのようにスマイルカットにしたりすると良いでしょう。
果肉を包んでいる薄皮も食べられますが、薄皮も剥いてしまう方法もあります。
たくさん量がある場合には、手絞りの果汁100%ジュースやマーマレード、ドレッシングなどに加工すると飽きずに食べられます。
タンカンは、乾燥や高温多湿に弱く傷みやすい果物なので、直射日光に当たらず風通しの良い冷暗所で保存し、1週間を目途に食べきってしまいましょう。
食べごろのタンカンは、ずっしりと重く、皮がみずみずしくて柔らかいのが特徴です。
近場で手に入らない場合には、通販サイトでも販売されていますので、ぜひ美味しいタンカンを味わってみてください。